大腸ポリープは完治しますか?

 

大腸カメラ(大腸内視鏡)検査でポリープが見つかったとき、「これって治るの?」「完治って言えるの?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、大腸ポリープは適切に切除すれば、ほとんどの場合“完治”と言える状態になります。
特に、早期に発見された良性や初期のポリープは、内視鏡治療で確実に取り除くことができます。

 

大腸ポリープは「切除すること」が基本です

大腸ポリープには、将来的にがん化する恐れがある「腺腫(腫瘍性ポリープ)」と、がん化の心配がほとんどない「非腫瘍性ポリープ」があります。
中でも腺腫は、切除してしまえばそれで完了となるケースが大半です。
当院ではでは、内視鏡によるポリープ切除(ポリペクトミー)を日帰りで実施しています。
これにより、体への負担を最小限に抑えつつ、確実に病変を取り除くことが可能です。

 

内視鏡治療後に追加治療が必要なケースは?

 

切除したポリープは、ほとんどの場合病理検査(顕微鏡での組織検査)に回され、良性か、悪性(がん)が含まれていないかを確認します。

まれにではありますが、悪性の腫瘍が疑われるような所見がある場合は、追加治療や経過観察が必要になることもあります。
ただし、内視鏡で完全に切除できた段階であれば、追加の手術や抗がん剤が不要なケースも多数あります。

 

切除後は「再発」より「再発見」に注意

 

ポリープは一度切除すれば基本的に完治ですが、大腸の他の部位に新たなポリープができる可能性はゼロではありません。
そのため、ポリープが見つかったことがある方は、1〜3年ごとの定期的な内視鏡検査がすすめられます。
これは「再発」というより、「別の場所に新しくできるかもしれないポリープの早期発見」の意味合いが強く、予防の一環として非常に重要です。

 

当院の内視鏡治療の特徴

 

あべ胃腸内視鏡・内科では、以下のような体制で内視鏡治療を行っています。

  • ・内視鏡専門医による診断・処置
  • ・高精度の内視鏡機器を使用
  • ・CO₂送気や鎮静剤により、負担の少ない検査を提供
  • ・検査中に見つけたポリープは、その場で切除が可能(※一部例外あり)

 

これにより、「痛みなく」「その日のうちに」治療を完了できる方が多くいらっしゃいます。

 

まとめ

 

大腸ポリープは、内視鏡で切除することでほとんどが完治可能です。

切除後の病理検査で悪性所見がなければ、追加治療は基本的に不要です。

再発というより、「別の場所に新たなポリープができる可能性」があるため、定期的な検査でのフォローが大切です。

大腸ポリープは、早期発見・早期切除によって大腸がんの予防につながる病変です。
一度見つかった方や、健診で便潜血陽性となった方は、ぜひ安心してご相談ください。
当院では、一人ひとりの状況に合わせた丁寧な検査と治療を行っています。

 

 

 

この記事を書いた人

あべ胃腸内視鏡・内科
院長 阿部太郎

 

資格など

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医

 

 

専門は消化管、特に下部消化管(大腸など)。下部消化管の中でも腫瘍(がん)を専門に研鑽を積む。軸保持短縮大腸挿入法を考案・はじめられた本家本元の秋田赤十字病院で修行し、2018年に「あべ胃腸内視鏡・内科」を開業。患者さんに苦痛をなるべく与えない内視鏡検査にこだわり、患者さん一人一人に丁寧・安全に満足してもらえる、良質な大腸内視鏡検査を提供していくクリニックを目指しています。

 

2025年10月04日