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大腸内視鏡検査、ポリープ切除への思い

消化器内科は上部消化管と下部消化管、肝臓、胆膵と専門が分かれることが多いのですが、私の専門は消化管、特に下部消化管です。下部消化管の中でも腫瘍(がん)と炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)とに大別されますが、私はがんを専門としてきました。
上部消化管内視鏡検査、胃カメラを施行可能なクリニックは多いのですが、大腸カメラは短期間の研修では習得できないため、施行できるクリニックは限られます。
それでも大腸内視鏡検査はポピュラーな検査ではありますが、早期病変を見逃さずに尚且つ患者さんに負担の無い様に観察するに高い技術、経験が要求されます。
私は当初大腸カメラの研修をはじめた際には、まったく勘所がわからず、独学で自腹で数十万するコロンモデルを購入して練習したり、当時発売されていた大腸内視鏡関連書籍はすべて読みました。 それでも上達がおよばなかったため、自治医大の義務年限(御礼奉公)を10年で終えると、軸保持短縮大腸挿入法を考案、はじめられた本家本元の秋田赤十字病院で修行しております。
院長 阿部 太郎
軸保持短縮挿入法の本物を直にみてきており、患者さんに苦痛を与えないための検査に自信があります。そして軸保持短縮挿入法ではどんなに上達者でも、腹腔内の腸の固定には個人差があるため、7割程度までの患者さんしか挿入できない現実があるのも見てきておりますので、残り3割の方の苦痛を減らすべく、静脈麻酔、鎮静・鎮痛下を用いた検査法も学んできました。福岡徳洲会病院の仲道先生は大腸内視鏡挿入に関する本も執筆されている第一人者でもありますが、同先生の下で、膨大な大腸内視鏡検査を経験し、消化器内科部長として多くの若い医師の指導も行ってきたことで、守破離の離に達したと考えております。

大腸内視鏡検査・ポリープ切除の流れ

内視鏡挿入の後は、大腸内部の観察を行うわけですが、秋田赤十字病院で大腸腫瘍の拡大内視鏡診断を学んできております。通常の観察で腫瘍なのか否か、どの程度悪性度のある腫瘍なのかを100倍弱の拡大機能を搭載した大腸カメラを用いることで診断が可能で、生検がほぼ要りません。大腸ポリープは生検を行い、生検結果を後日確認する施設もありますが、当院では前述のように、その場で拡大観察にてほとんど診断をつけております。
詳細に拡大観察を行い、内視鏡診断を行った上で、治療にうつります。診断に自信がありますので、腫瘍と判断したもののほとんどは、その場で内視鏡的切除を行います。
小さなポリープは、術後の後出血が少ないコールドポリペクトミーという切除術を行います。複数回に分けずにすむように、必要な病変が複数ある場合でも時間をかけても、一度に切除するようにしています。
茎のあるポリープや大きめのポリープには、電気メスの原理を用いた高周波機器を用いてポリペクトミー切除したり、必要時には病変根部に生理食塩水を局所注入してEMR切除を行います。
2㎝を超える巨大なポリープや、抗血小板薬・抗凝固薬を服用している方などは、術後の後出血などの合併症の危険性が高いので、良かれと思って行う内視鏡切除(経験もあり、自分の技術的には可能であっても、確率的に少数でも)が後で裏目にでるケースも十分見聞、経験しており、患者さんの安全優先第一と考えています。 リスクが高い病変・患者さんは入院での切除治療が必要なことが多く、信頼できる高次医療機関へしっかりした写真(他医師にみられてはずかしくないような、診断にたる)、資料を添付して紹介します。進行がんで外科治療などが必要と判断したものは、連携高次医療機関へご紹介します。
大腸内視鏡の挿入時間のみにこだわり、件数・点数をかせぐ方針の内視鏡クリニックもあるようですが、私は挿入、観察、治療と全ての面で、修行から実践とおこなってきており、どこに出しても恥ずかしくはない、標準以上の技量を生かして、患者さん一人一人に丁寧・安全に満足してもらえる、良質な大腸内視鏡検査を提供していくクリニックでありたいと考えています。

実際の検査画像:大腸ポリープ

大腸ポリープ
大腸ポリープ

実際の検査画像:早期大腸がん

早期大腸がん
早期大腸がん

当院の大腸カメラの特徴

当院では、5つの工夫と技術で、がんの早期発見に努めています
当院では院長が大腸内視鏡の全国有名施設で修練しており、高度な内視鏡技術を提供していきます。
患者さんにとって「良い大腸内視鏡検査」とは、まず、苦しくないことと考えています。そして、はやく盲腸まで挿入できることも大事ですが,大腸がんになる方を早期発見して減らしていく高い技術も必要と考えています。
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院長 阿部 太郎

01苦しくない内視鏡

当院では苦しくない内視鏡をめざしています。
いくら詳細で精密な検査でも,患者さんが二度と受けなくなってしまっては、患者さんのがん予防には役にたちません。当院の内視鏡検査は鎮静剤を使い、眠っている間に検査を行います。
覚醒した状態での検査をご希望の場合でも、有名施設で学んだ軸保持短縮挿入法という大腸内視鏡挿入技術を用いており、これまでで一番楽だったと多くの患者さんにご満足いただいております。
※鎮静剤を使用した場合、検査後に約1時間程度はお休みいただきます。十分に麻酔がさめた後にお帰りください。

02最新の内視鏡システムを常時使用

内視鏡のレンズに加わったハイビジョンズーム機能では、従来の映像と比べ画像の密度が非常に高く、光学100倍ズームによって非常にリアルで鮮明な映像を得る事ができます。
大腸病変に対する質的診断では、通常観察に拡大観察を加えることにより正診率が向上するといわれており、私が特に研鑽してきた技術でもあります。検査において当クリニックでは優先して拡大内視鏡を用いています。 また、NBIシステムでは、内視鏡機器の先端から発せられる人体に害のない特殊な光が体内を照らし、肉眼で見るより詳しく毛細血管を見ることができるため、大腸粘膜に潜んだわかりにくい腫瘍も発見しやすくなる可能性があるといわれています。このシステムは、これまでの内視鏡検査と同様苦痛のない検査でありながら、さらに安全で精度の高い検査です。
内視鏡システム

03検査後の不快感を抑えながら、大腸をすみずみまで検査する工夫

大腸検査では、大腸に空気をたくさん入れて十分に膨らますことで、平坦な病変やひだの裏側に隠れた病変の発見を心がけます。
しかし従来は、検査後に大腸内に残った空気でお腹が張って苦しいということが多々ありました。
当院では、空気の代わりに、体に吸収されやすい二酸化炭素(ビールや炭酸の泡と同じ成分)を使用することで、検査後のお腹の張りを抑えています。腸管を十 分に膨らませて詳細な検査が実施できるのは空気と同様です。もともと腹腔鏡手術に使用された技術で、学会でも注目されています。
また検査中は、見落としがないよう、腸の中に溜まった液体を移動させるためや折れ曲がった腸を平坦にするためなどに、必要に応じて体の向きを変えさせていただいています。
炭酸ガス送気装置

04挿入困難の患者様のためのカメラを用意

内視鏡検査は、小柄・やせた女性や腸の長い方、おなかの手術を何度も受けた方では、痛みが出やすい傾向があります。
通常の検査の際には拡大内視鏡スコープで行いますが、体の小さな女性や過去の手術により癒着があり過去に痛くて奥までスコープが入らなかった患者さんにも対応できるようにしております。この細径スコープは受動弯曲機能が搭載され癒着(固定点)があったとしても患者さんの大腸に負担をかけることなく挿入できるのが特徴です。このスコープを採用したことで、大腸スコープが入りきらず、別の日に改めて行うことが0に近くなり、患者さんの金銭的、時間的、精神的負担を大幅に低減することができます。
大腸カメラ検査

05高い大腸腺腫発見率

大腸内視鏡検査の質を評価する指標のなかで腺腫発見率(adenoma detection rate: ADR)が最も重要視されています。
一回の内視鏡検査で大腸腺腫を1個以上発見する割合のことをいいます。
腺腫発見割合(ADR)が1%向上すると、大腸癌発生率を3%、大腸癌死亡率を5%下げるといわれています。一方,腺腫発見率(ADR)は内視鏡医により大きな格差があるとされ、当院ではより高いADRの為に、様々な工夫・努力をおこなっております。
大腸内視鏡は直腸からいったん大腸の一番奥にある盲腸まで内視鏡を挿入し、引き抜きながら大腸粘膜を観察していきます。この引き抜き・観察時間が6-7分程度はあった方が、病変の検出率を高めるといわれてます。無駄に患者さんの検査時間を長くすることなく、かつ小さな病変も見逃すことのないように、丁寧な検査を心がけています。
また、大腸内視鏡をただ引き抜いてきて観察するだけでなく、大腸の襞が深い部位である上行結腸では反転して(カメラをひっくり返す)襞の裏に隠れた病変がないか観察します。
直腸は大きな病変を見逃すと外科的人工肛門造設術が必要になる場合がありますので、直腸も反転して肛門のすぐ側にも病変がないかを観察します。 他にも通常の光での観察に加えてNBIシステムによる光での大腸粘膜の観察を行うことで、見逃しのない検査を心がけています。
当院では、内視鏡の先端にゴム製のフードを取り付けています。これは、腸のひだの裏に隠れていて今まで見えにくかった部分を見るための工夫です。腸内を傷付けない弾力性のある軟性フードを腸内のひだにひっかけてめくることで、観察範囲を改善しています。

実際の検査動画

大腸ポリープ拡大観察
大腸ポリープコールドポリペクトミー
大腸ポリープEMR

このような症状は早めの検査を

大腸がんは、男女ともに罹患数が年々増加傾向にあり、特に女性では死亡原因の第1位となっています。早期の大腸がんは症状がほとんどありませんが、早期発見できれば完治するがんでもあります。何も症状がなくても、40歳を過ぎて一度も大腸カメラ検査を受けたことのない方は、是非検査を受けることをおすすめします。
  • 便秘や下痢が続く
  • 血便が出た
  • 便が細い
  • お腹の張りや痛みがある
  • 急に体重が減ってきた
  • 便潜血陽性が出た
  • 大腸ポリープの治療歴がある
  • 家族に大腸がんの既往歴がある
  • 潰瘍性大腸炎と診断された
上記の症状に1つでも当てはまる方は、早めに大腸カメラ検査を受けてください。
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検査の流れ

大腸カメラの検査ご希望の方は、検査前までに一度ご来院していただく必要があります。下剤のお渡し、医師の診察があります。
【検査日は、月・火・木・金です】
検査準備
  • 検査予定日の2日前より消化の良いお食事を取るようお願いいたします。
  • 検査前日の夕食は夜21時頃までにお済ませください。
検査前日の夕食
検査当日
  • 検査当日の朝食は食べないでください。透明な水分(水やポカリスエットなど)は少量は飲んで頂いてもかまいません。(お茶、コーヒー等は飲まないでください。)
  • 定期薬は医師より許可のある薬は服用してください。(糖尿病の薬はのまないでください)
  • ご自宅で朝7時より下剤を内服開始してください。(1Lを1時間で飲むペースでゆっくり服用してください。)
  • 飲み始めてからご自宅での排便の状態を確認してください。来院時にお尋ねします。 (排便回数、便の状態)
※通常2Lをお飲み頂く下剤をご案内しておりますが、内服するのが困難な方は別の下剤もございます。
ご希望の場合はお気軽にスタッフにお尋ねください。
検査当日の朝食
検査当日
マグロコールPの溶かし方
1. パウチの折り目を伸ばし、そこのマチを広げます。
2. 容器のキャップを開封し、500の目盛(約500ml)まで水を入れてください。
3. キャップを閉め、上下によく振って粉末を十分に溶かしてください。
※水をいれたまま振らずに置いておくと、溶けなくなり、白濁する場合があります。
4. 1800mlの目盛になるまで水を入れて混ぜてください。
※平らなところにおいて1800の目盛まで水が入っていることを確認してください。
マグロコールPの飲み方
コップ1杯(約200ml程度)を10分おきを目安に2時間かけて飲んでください。
※特に高齢の方は、時間をかけてゆっくり飲んでください。
飲み始めてから30分から1時間後に最初の排便が起こります。
途中、水や氷砂糖、あめ (豆、ゴマ類の入ってないもの)をとっていただいても構いません。
ご来院
  • 検査予定時間の15分前にクリニックへいらしてください。楽な服装でいらしてください。
  • クリニックへ来院されましたら看護師による問診を行い、その日の体調などをお伺いいたします。
  • その後、スタッフがお着替えにご案内いたします。貴重品などのお荷物は鍵付きロッカーにお入れして頂きます。
検査開始
  • 検査着にお着替えいただきましたら、スタッフが内視鏡ルームにご案内いたします。
  • 麻酔をご希望の場合は点滴をいたします。検査ベッドに休んでいただき、血圧と酸素濃度を測るモニターをつけさせていただきます。
  • 体の向きに不自由のある方(手術後等)は仰ってください。
  • 大腸カメラは通常15分弱程度、組織検査やポリープ切除を行った場合は30~60分程度かかります。
検査終了
  • 検査終了後は歩くことなくそのままストレッチャー(移動式ベッド)にて、1時間程度、お休みしていただきます。
  • お目覚めの頃にお飲み物をお出しいたします。
  • お飲み物は数種類の中よりお選びいただき、お好きな飲み物をお飲みいただきます。
  • 十分に麻酔が覚めるまでお休みください。
検査説明
本日の内視鏡結果を医師よりご説明いたします。
大腸ポリープを切除した場合や大腸の組織検査を行った場合は顕微鏡での検査結果が出るのに1週間週間程度かかります。
結果が出るころに再度組織検査結果を聞きにいらしてください。

当院では内視鏡検査を受けられない方

患者様の安全第一のために、以下の患者様は、高次医療機関での内視鏡検査をおすすめさせていただいております。
  • 透析中の方
  • 18歳未満の方(中高生など)
  • 85歳以上の方
  • 体重100㎏以上の方
  • 酸素飽和度が94%以下の方
  • 妊娠中の方

大腸カメラ検査で分かる疾患

大腸カメラ検査で分かる主な疾患は、以下のようなものがあります。
早期発見、早期治療が非常に重要な疾患がほとんどですので、是非早めの検査をおすすめしています。
  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 虚血性腸炎
  • 腸結核
  • 大腸憩室症
  • 肛門疾患(痔など)

料金表

1割負担 2割負担 3割負担
大腸内視鏡(診察代含む) 約2,000円 約4,000円 約6,000円
大腸内視鏡+病理組織検査 約3,500円 約6,750円 約10,000円
大腸内視鏡ポリープ切除(1臓器) 約15,000円 約21,000円 約26,000円
大腸内視鏡ポリープ切除(2臓器) 約16,000円 約23,000円 約30,000円
大腸内視鏡ポリープ切除(3臓器) 約17,000円 約25,000円 約33,000円
※病理組織検査とは、大腸の組織を一部採取し、炎症の程度やがん細胞の有無などを光学顕微鏡で詳細に調べます。
※大腸内視鏡ポリープ切除術は、点数改定による施設基準を満たし、短期滞在手術とさせていただいております。
※大腸内視鏡ポリープ切除は「内視鏡手術」の扱いになりますので、民間の保険会社に加入している方で条件を満たす場合は、保険金の請求が可能です。大腸内視鏡ポリープ切除の費用負担が少なくなりますので、加入している保険会社にお問い合わせください。なお、当院には入院設備はございません。手術はすべて「日帰り手術」の扱いになりますので、ご了承ください。
※大腸内視鏡検査を受けられる方には、検査日1週間前までに診察や前処置の説明のため一度ご来院をお願いしております。
その際、診察代と前処置薬代を請求させていただきます。ご来院いただけない場合、検査をお断りさせていただくこともあります。
※内視鏡検査に関してはクレジットカードでのお支払いも可能です。
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