大腸がん
大腸がんは、大腸に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。 大腸がんは初期のだんかいでは症状が現れにくい病気でがんができて大きくなってくると、下血、血便、便秘と下痢を繰り返す、便が細くなる、便が残る感じ、お腹が張る、腹痛、貧血、腸閉塞などの症状が出ます。

原因

大腸がんの発生は、生活習慣と関わりがあるとされています。
赤肉(牛、豚、羊など)や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)の摂取、飲酒、喫煙により大腸がんの発生する危険性が高まります。体脂肪の過多、腹部の肥満、高身長といった身体的特徴をもつ人で、大腸がんを発生する危険性が高いといわれています。
また、家族の病歴との関わりもあるとされています。特に家族性大腸腺腫症やリンチ症候群の家系では、近親者に大腸がんの発生が多くみられます。

診断

大腸がんの疑いがある場合は、大腸内視鏡検査を行い、組織検査などで、がんかどうかの確定診断を行います。
大腸がんは早期のものは、ほとんど自覚症状がありませんので、早期発見のためには検診をうけることが大切です。
男女ともに、40歳以上は年に1回、大腸がん検診(便潜血検査)を受けましょう。ほとんどの市町村では、検診費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担で受けることができます。
便潜血検査では、大腸がんやポリープなどによる出血が便に混じっていないかを調べます。
通常、便潜血は微量で目には見えません。がんからの出血は間欠的であるため、2日分の便を採取します。
大腸がんの腫瘍マーカーは、CEA、CA19-9、p53抗体です。腫瘍マーカーの結果だけではがんの有無を診断することはできません。通常は、手術後の再発のチェックや薬物療法の効果判定の補助に用います。

治療

大腸がんの治療には、内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療などがあります。治療法は、がんの進み具合(病期)、全身状態、年齢、合併するほかの病気などを考慮して決定されます。
0期〜III期では、主にがんを切除できるかどうかを判断し、切除できる場合には内視鏡治療または手術を行います。切除できない場合には、薬物療法を中心とした治療を行います。IV期の場合は、治療方法を総合的に判断します。
治療方法は、がんのステージや体の状態などから検討します。
ステージ(病期)とは、がんの進み具合を表すもので、進行度が最も低いステージ0から進行度が最も高いステージIVまでの5段階に分類されます。

大腸がんのステージ

ステージ0 がんが大腸の粘膜の中にとどまっている。
ステージⅠ がんが大腸の壁(固有筋層)にとどまっている。
ステージⅡ がんが大腸の壁(固有筋層)外まで浸潤してる。
ステージⅢ リンパ節転移がある。
ステージⅣ 大腸以外の臓器や腹膜へ(転移遠隔転移)転移している。