高血圧で治療を受けている方から、
「血圧が高くても大腸カメラは受けられる?」
「検査当日の朝も降圧剤を飲んでいい?」
「血圧が高かったら検査が中止になる?」
といったご質問をいただくことがあります。
結論からいうと、高血圧の治療中でも、大腸カメラを受けることは可能です。
ただし、検査当日の血圧や体調、普段服用している薬、心臓や脳の病気の有無などによっては、安全性を確認しながら検査を行う必要があります。
また、降圧剤については自己判断で中止せず、事前に医師から指示された方法で服用することが大切です。
高血圧があるという理由だけで、大腸カメラを受けられなくなるわけではありません。
日本消化器内視鏡学会でも、大腸カメラを予約する際には、治療中の病気や現在服用している薬を医師・看護師へ伝え、必要に応じて薬の中断や調整について指示を受けるよう案内しています。
高血圧の方の場合も、以下のような点を確認したうえで検査を行います。
大切なのは、高血圧だから検査を避けるのではなく、高血圧の治療内容を事前に医療機関へ伝えておくことです。
大腸カメラ当日は朝食を食べずに下剤を服用するため、「薬もすべて飲んではいけない」と思われる方もいらっしゃいます。
しかし、定期的に服用している薬をすべて中止するわけではありません。
当院では、検査当日の定期薬について、医師から服用の許可がある薬は服用していただくようご案内しています。
降圧剤についても、薬の種類や患者さんの状態を確認したうえで、検査当日の服用方法をご説明します。
「絶食だから降圧剤も飲まないでおこう」と自己判断したり、反対に事前確認をせず普段通り服用したりするのではなく、検査前の診察で確認しておくことが大切です。
降圧剤は、日常的に血圧を適切な範囲に保つために処方されています。
自己判断で服用を中止すると、検査当日に血圧がいつもより高くなる可能性があります。
一方、大腸カメラの前には食事制限や下剤の服用があり、普段とは異なる状態になります。そのため、すべての患者さんが同じ方法で薬を服用すればよいわけでもありません。
検査前には、お薬手帳などで現在の内服薬を確認し、医師から指示された薬のみを、指示された方法で服用しましょう。
日本消化器内視鏡学会でも、内視鏡検査前の内服薬については、薬によって中止すべきものと服用が必要なものがあるため、事前に担当医の指示を受けることが重要とされています。
「病院に来ると緊張して血圧が上がる」という方もいらっしゃいます。
大腸カメラに対する不安や緊張によって、普段より血圧が高く測定されることもあります。
そのため、一度の測定だけで判断するのではなく、必要に応じて時間を置いて再度測定したり、普段の血圧や体調を確認したりします。
血圧が著しく高い場合や、頭痛・胸痛・息苦しさなどの症状を伴っている場合には、安全性を優先して検査を延期することがあります。
「血圧が高いことを伝えると検査を断られるのでは」と考えて、高血圧であることや服用薬を申告しないことは避けてください。
安全に検査を行うためにも、普段の血圧や治療内容を事前にお知らせください。
当院では、ご希望に応じて鎮静剤を使用し、眠っているような状態で大腸カメラを受けていただくことができます。
鎮静剤には検査への不安や苦痛を軽減できるメリットがありますが、副作用として血圧が低下したり、呼吸が弱くなったりすることがあります。
日本消化器内視鏡学会でも、鎮静剤を使用する際には、血圧・脈拍・血中酸素飽和度などを確認しながら検査を行うことが説明されています。
当院でも、鎮静剤を使用する場合は、検査ベッドで血圧や酸素濃度を測定するモニターを装着して検査を行います。
高血圧の方についても、検査前後の状態を確認しながら、安全性に配慮して検査を進めます。
大腸カメラでは、検査前に下剤を服用して腸の中をきれいにする必要があります。
下剤を服用すると何度も排便するため、水分が不足しないよう注意することも大切です。
日本消化器内視鏡学会でも、下剤服用中には十分な水分摂取が重要とされています。
当院では、検査当日の朝食は控えていただきますが、水やスポーツドリンクなどの透明な水分は少量摂取していただけます。
ただし、心臓や腎臓の病気などにより水分摂取量について指示を受けている方は、その旨を事前にお知らせください。
高血圧の治療中に大腸カメラを受ける場合は、検査前の診察で現在服用している薬を確認することが重要です。
薬の名前を覚えていなくても問題ありませんので、お薬手帳や服用中の薬が分かるものをご持参ください。
特に、以下に該当する方は事前に医師へお伝えください。
当院では、大腸カメラを受ける方には検査1週間前までに一度ご来院いただき、診察や下剤のお渡し、前日の食事などについてご説明しています。
その際に、降圧剤を含む普段の内服薬についても確認します。
高血圧の治療中という理由だけで、必要な大腸カメラを避ける必要はありません。
便潜血検査で陽性を指摘された、血便が出た、便秘や下痢が続いている、大腸ポリープの治療歴がある、家族に大腸がんになった方がいるなど、大腸カメラが必要と考えられる場合には、まず医師へご相談ください。
当院でも、便潜血陽性や血便、便通異常、大腸ポリープの治療歴などがある方には、大腸カメラによる確認をご案内しています。
高血圧の状態や服用している薬を確認したうえで、検査を受けられるかを判断していきます。
高血圧の治療中でも、大腸カメラを受けることは可能です。
検査当日の降圧剤については、薬の種類や患者さんの状態によって対応が異なるため、自己判断で中止したり服用方法を変更したりせず、事前に医師へ確認することが重要です。
また、大腸カメラ当日は血圧や体調を確認し、鎮静剤を使用する場合には血圧や酸素濃度などをモニタリングしながら検査を行います。
高血圧や心臓病などで治療中の方は、お薬手帳をご持参いただき、検査前の診察時に普段の血圧や服用している薬についてお知らせください。

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
専門は消化管、特に下部消化管(大腸など)。下部消化管の中でも腫瘍(がん)を専門に研鑽を積む。軸保持短縮大腸挿入法を考案・はじめられた本家本元の秋田赤十字病院で修行し、2018年に「あべ胃腸内視鏡・内科」を開業。患者さんに苦痛をなるべく与えない内視鏡検査にこだわり、患者さん一人一人に丁寧・安全に満足してもらえる、良質な大腸内視鏡検査を提供していくクリニックを目指しています。
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