大腸カメラで異常なしとなったが、血便がある場合は?

 

大腸カメラ(大腸内視鏡)で「異常なし」と診断されたのに、その後も血便が続く・再発するというケースがあります。
「検査で異常がなかったのに大丈夫なの?」「また検査を受けるべき?」と心配される方も多いのではないでしょうか。

この記事では、大腸カメラ後も血便が見られる場合の原因や対処法について解説いたします。

 

血便があっても「大腸の異常」とは限りません

血便=大腸がん・ポリープなどをすぐに連想される方もいらっしゃいますが、出血の原因は大腸以外にも存在します。

中でもよくあるのが「裂肛(いわゆる、切れ痔)」です。

 

肛門の皮膚が切れて出血するもので、次のような特徴があります。

 

・排便時に強くいきんだときに出血

・便の表面に赤い血が付着

・排便時にピリッとした痛みを伴うことも

大腸カメラでは大腸の奥を詳しく観察しますが、肛門部の小さな傷までは映らないことがあります。
このため、異常なしと診断されても、肛門周囲の病変が原因となっている可能性は十分に考えられます。

 

直近で検査済みの場合は、経過観察も選択肢

 

大腸カメラを数か月以内に受けていて異常がなかった場合は、直ちに再検査を必要としないケースもあります。
血便の頻度や出血量が少なく、体調にも変化がないようであれば、一時的な肛門疾患や感染性の腸炎であることもあります。

ただし、自己判断は禁物です。以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

 

・血便が頻繁に出る

・血の量が多い、鮮血ではなく暗赤色(いちごジャム、いちごゼリーのイメージ)

・体重減少、腹痛、便通異常がある

 

 

前回の大腸カメラから数年以上経っている場合は、再検査を

 

大腸カメラで「異常なし」と診断されていても、前回の検査から数年が経過している場合は再度の検査をおすすめします。
理由は以下のとおりです。

 

  • ・ポリープや腫瘍は時間とともに新しく発生する可能性がある
  • ・特に40歳以上の方は、定期的な内視鏡検査が重要
  • ・新たな病変の有無を確認することで、安心につながる

当院では、前回の検査内容や期間、現在の症状に応じた適切な検査計画をご提案しています。

 

血便が気になるときの受診のポイント

 

診察時には、以下の点を整理しておくとスムーズに相談できます。

  • ・血便の色(鮮やかな赤、暗赤色、黒っぽい など)
  • ・便との混ざり方(表面だけか、全体に混ざっているか)
  • ・排便時の痛みの有無
  • ・血便の頻度や出血量
  • ・前回の大腸カメラの実施時期と結果

これらの情報は、出血の部位や性質を判断する手がかりになります。

 

 

まとめ

 

大腸カメラで異常がなくても、裂肛(切れ痔)など肛門部の疾患が原因で血便が出ることがあります。

血便の頻度が低く、体調に問題がなければ、経過観察も一つの選択肢です。

一方、前回の検査から数年経っている場合は、再度の大腸カメラを検討しましょう。

血便は放置せず、適切な診断と対応を受けることが大切です。

 

あべ胃腸内視鏡・内科では、初回検査はもちろん、再検査としてのご相談も受け付けております。お気軽にご相談ください。

 

この記事を書いた人

あべ胃腸内視鏡・内科
院長 阿部太郎

 

資格など

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医

 

 

専門は消化管、特に下部消化管(大腸など)。下部消化管の中でも腫瘍(がん)を専門に研鑽を積む。軸保持短縮大腸挿入法を考案・はじめられた本家本元の秋田赤十字病院で修行し、2018年に「あべ胃腸内視鏡・内科」を開業。患者さんに苦痛をなるべく与えない内視鏡検査にこだわり、患者さん一人一人に丁寧・安全に満足してもらえる、良質な大腸内視鏡検査を提供していくクリニックを目指しています。

2025年08月08日