逆転しない正義とは、すべての人を喜ばせる正義
朝ドラの「あんぱん」を観ています。
アンパンマンを生み出した、やなせたかしさんの実話をもとに作られたドラマです。
やなせさんの、戦争体験などの話の回は、当時の人の気持ちに共感してしまい、悲しくてやりきれない気持ちになりました。
やなせさんの弟の千尋も法学部の学生でしたが、戦争に送り込まれて行きました。
戦争の末期には、これからの有望な若い人たちも、どんどん戦争に送り込まれていて、千尋も戦争で亡くなっています。
出征する前に兄弟で最後に会うシーンがありました。
(中略)
千尋:(法科大学の)みんなが戦争に行くのに、一人だけ行かないわけにはいかなかったんや。
任務は駆逐艦の一番底で敵の潜水艦のスクリューを探知して爆雷を投下することだ。
たかし:千尋、おまえどうしちゃったんだよ、なんでそんなに落ち着き払っていられるんだ!
お前の口から爆雷を投下するなんて、、聴きたくなかったよ…。
弱い者の声を聴いて救うために法科に行ったんだろ!
おまえは家族にとっての誇りなんだよ。かあさんにとっても自慢の息子で俺にとっては、世界でたった一人の弟なんだ、、。
千尋:5日後に佐世保から出港するがや。行先は南方や、もう後戻りはできん。
わしは、この国の美しい海や山や川を守るために戦う。
おばさんやおしんちゃんを守るため、それからわしを生んでくれたあの母さんを守るため、のぶさんや国民学校の子供らを守るために立派に戦う。
そのためやったら命らも惜しくない。兄貴もそうやろ。
わしが生きて帰れたら、その時はもう、誰にも遠慮はせん。
この戦争がなかったら、わしはもっと法学の道を究めて、腹をすかせた子供らや、虐げられた女性らを救いたかった。
この戦争がなかったら、一遍もやさしい言葉をかけてやれんかった母さんに、親孝行したかった。
この戦争がなかったら、兄貴ともっと何べんも酒をのんで語り合いたかった。
この戦争さえなかったら、愛する国の為に死ぬより、わしは愛する人のために生きたい。
つくづく、この時代の人々のたくさんの犠牲があって、今の日本の平和が守られているのだと感じました。
またこの平和は「あたりまえ」ではないと、先人に敬意をおもわずにはいられません。
ドラマのなかでもありましたが、(正義はすぐに逆転する。正義を信じるな。唯一、信じてもいい正義は、すべての人を喜ばせられる正義)と言っていました。
今の、また世界中で戦争が起き始めている世の中だから、尚更そう思います。
一人一人は大きなことはできなくても、そういう気持ちをみんなが持っていれば、戦争は起きないのではないかなあと思います。
相手の大事なものを力で奪っていくことなんて、むなしことなんじゃないかな、、と感じます。
世界中の戦争のニュースや、80年前の沖縄のニュースを毎日拝見するたびに、そうかんじる今日この頃です。
6月初旬にベストセラー作家であり、教育者でもある、喜多川泰さんの講演会に行ってきました。
喜多川泰さんは私たちの大好きな作家さんであり、その著書があまりにも素晴らしすぎて、私達はすっかり、
≪喜多川沼≫にはまってしまっています。😍
喜多川泰先生の著書はいろいろと読ませていただきましたが、どれも自分の心の奥深くに刺さる話です。
読んだ後は、自分の何かが一皮むけたような、清々しい気持ちになります。
ほんとに…わたしの勝手な妄想ですが、先生自体も若いころに、たくさんの苦い経験があり、それを基に教訓として、人生が豊かになる考え方の教えとして、本にして教えてくれているのだなぁ、と感じます。
講演会のテーマは(本を読もう、人生を笑って旅するために)でした。
本は人の人生を救う。そこから自分の経験を、誰かの人生に役に立てていければ、自分の過去も少し肯定できる。
暗闇に居続けた人は、希望の光も見つけられる人。
暗闇にいた経験がある人は、優しさや強さも身につけて、同じ境遇で苦しんでいる人の役に立つことができる。
本を読もう。運命的な本に出逢うことで、人生が変わることもある。
また、人生を変えようとするときは、少しずつ進む。一気に変えようとしない。
できるだけゆっくり、人がいかないような遠回りをして、でも誰よりも遠くへ行こう。
子供に何かを伝えたいときも、自分が習得したのが50才だったら、自分の子供にも50才までには習得しようね、という。
もしかしたら、自分はその時はこの世にいないかもしれないけれど、自分がその子に伝えたいことがあるならば、きちんと伝えておきたい。
また、自分らしいか?自分らしくていいや、と思う成長を志す。
そう、思えたところに、人生は楽しくなる。
自然の変化には終わりがない。
変化の途中、人間も自分が大事にはぐくんできたものを次世代に託して続いていく。
人生を変える手段は人との出逢いである。人や本や非日常に出会うことで人生観が変わっていく。
自分も今まで50年生きてきましたが、本を必要とするときは、たしかに人生の暗闇にいたときでした。
両親も早くに亡くなり、仕事や子育てに必死で、誰かに助けを求めたいときに、本にすがった記憶があります。
本に書かれてある言葉に、前を向く力をもらったのを思い出しました。
今は年を重ね、心穏やかな日々ですが、その苦しい時代を生きてこなければ、今の自分はなかったと、思います。
その「暗闇にいた昔の自分」にも、よく生きてきたね!ありがとう…とお礼が言いたい気持ちです。
これからは、次世代の為に、自分の身近にいる人のために、自分がいままでコツコツ積み上げてきたものを渡していきたいと思います。
喜多川泰先生、人生を変える素敵な本をたくさん世に出してくださり、ありがとうございました!
また、福岡喜多川泰の会の皆様、講演会の日の心のこもったおもてなしを、ありがとうございました😊